そんなこんなで

幸か不幸か、うなるほど時間があったため、冬コミ&冬ティアの戦利品を全部読破。前者に関しては、『有明ミッドナイト Vol.9』(FLAT&SLIT RACING)が単枠指定なのを除くと、この前も名前を挙げた『LOVE AND PEACE』(すとらいぷぱたーん)の面白さが群を抜いてる。『Gungnir』『BEAUTIFUL WORLD』と試行錯誤を重ねて来て、ようやく削られるべきものが削られたというか、愛と平和の絵本ここに極まれりというか。得てしてマイナスに捉えられがちな表現だけども、この分かりやすさは、イラストストーリーには必要だと思うんだよねえ。

あとは『なにもないまんが x3』(下り坂道)、『いつものげんこつ』(まりおねっと装甲猟兵)、『マイ・フェア・ウィッチ』(シャこ)、『ミルヴェーデン領厄災記』(砂原堂Hybrid)も、2度3度と読み返したくなる面白さでございました。

後者だと、風車さんが「いつもグラサンしてる怪しげな30男」としてシロネリさん(と思われる女性。まさかの展開で、気の利いた受け答えができずに凹む)から個体認識されたと明らかとなった茶菓一服『崩壊アフタースクール』がぶっちぎりで面白い。「あー、『カラコロジレンマ』面白いのに、いったん休止かー」と残念がってたところだったので、これはうれしい誤算と言えましょう。明らかな非日常がしれっと日常に溶け込んで、既存の世界を混乱させつつ、話としてしっかりまとまっていく、これぞ読み切りコメディという快作ですよ。ここ1〜2年忘れかけてた、「一度漫画の編集やってみたい病」がふつふつと蘇ってくるほどには、心を揺さぶってくれるというか。

ただ、全体としては、いつもの冬ティアだったかなあという印象も、やや。『ヤサシクトカシテ』の原作付き四川大車は新鮮だったし、『なにもないまんが x3.5』(下り坂道)が相変わらずどうしようもない(※褒め言葉)点には満足だったので、その余韻に浸りつつ、5月の拡大開催を待とうと思います。