DAC-19MK3インプレッション

「買った。中華DACナメてました」というファーストインプレッションを上げてからというもの、製品名をキーワードにこの駄日記へやってくる人が後を絶たず、なんか申し訳ない気がしたので、これまで何年もメインで使ってきたEADのDSP-7000 Series IIIとApple to appleで比較してみます。

試聴に使った曲は最後に示したとおり。クラシックを使ってないのは,個人的にクラシック好きじゃないからなので、そこらへんが合わない人はお気を付けくだされ。それ以外は、手持ちのからいろんなジャンル、いろんな録音状態のを揃えてみたつもりだけども、まあ、ない袖は振れないということでご理解を。

んで、全体の傾向としては、やはりというかなんというか、音の分離感と情報量の多さが、実に現代的。EADのを「柔らかい音だなー」と思っていたけど、いま思えば、それは単に音がまとまってただけなのだなあとしみじみしております。

分離感という観点で、とくに強く印象に残ってるのは「パチンコやってる(以下略)」「Wind of Cronus」。サビで,あっきーのメインボーカルにかかる女声が、しっかりと分離しつつ、ハーモニーとしての完成度は以前よりも上がって聞こえる「パチンコ(以下略)」は、なかなか衝撃的だし、これほどまでに各音をしっかり聞き取れた「Wind of Cronus」も初めて。後者は、各音がしっかり分離した結果、弱いボーカルにも相応の存在感が出てきてるのも面白かったです。

情報量が増した印象を強く受けたのは、「Aerial Boundaries」「aikoi」「Can't Make You Love Me」「大江戸捜査網」。「Aerial Boundaries」は,DSP-7000 Series IIIで聞く音とはまったくの別モノ。余韻の量が尋常ではないですよ?
aikoiは全体的にスケールアップした印象で、「Can't Stop(以下略)」は倍音がキレイに重なっていて美しい。Sophieの色っぽさがワンランク上がってます。「大江戸捜査網」におけるエディの魂籠もった演奏も圧巻と言わざるを得ません。

一方、打ち込み系と、そもそも録音状態があまり良くないソースは、苦手な印象。打ち込み系だとそんなに目立たないけど、録音状態があまりよくないソース、とくに「ただのあたし」「ヒルクライム」では、ブーミーさが強調されたりして、露骨にいまいちな感じになります。これが「低域が強すぎる」のか「スピード感がない」のか、はたまたその両方なのかは分からないけど。

あと、これは本当に多少だけど、「AMERICAN IDIOT」とかから判断するに、シンバルはほんのちょっと苦手かもしれない。


……と、いろいろ書いてみたけども、ともあれDSP-7000 Series IIIに二度と戻れないことだけは確か。これが500ドル以下(+送料)なんだからいい時代だよなあ。
 で、買う人に一つだけ忠告。Audio-gdのスタッフは、あまり英語得意じゃないようなので、メールではシンプルに用件だけ伝えるのがいい感じ。到着して音を聞いたら、簡単に感想を送ると喜ばれます。

《試聴曲》